普通、旅館の部屋って「ゆりの間」とか「寿の間」とかいう感じで名前が付いていますよね。どこだって。けど「赤の間」なんて聞いたことあります?
ゴールデンウィーク中に私は女一人旅を決行し、とある旅館に泊まったんです。やっぱ、時期が時期だけに空部屋はなく、そこの女将が、
「すみませんねぇ・・一室空いてるには空いてるんですがね」
「あ、なら、そこでいいです」
そこで紹介された部屋が「赤の間」だったんです。その名の通り、壁一面赤色で何から何まで真っ赤。少し得体が知れず気味が悪い第一印象でしたが空いているのがここだけだし、せっかくわざわざここまで来たんだ。別にいいじゃん。と意外に単純にそこに泊る事に決めました。
その夜、やっぱし、その異様さで寝付けず(しまったなぁ。やっぱハズレだったかも・・・)と今更後悔していた深夜0時。いきなし、窓硝子が「ヴァン!!」となりビクッとしました。「バンバン!!」と窓硝子はなおも鳴ります。その窓は私の頭側にあって丁度見えないのですが・・向かいの赤い壁に障子の向こうが影になって誰かいる!?それが「ばんばん」硝子をいわせているんです。
あまりに異常で混乱していると影がスッと消えたんです。すると今度は窓とは関係ないとこから天井からベタベタァと這うように長ぁい影がこっちにおりてくるのです。赤い壁がまるで血みたいに見えるくらいに・・・!!私はそれからは記憶になく気付けば朝になっていました。
女将に聞こうと思いましたが結局聞けずじまいで旅館を後にしました。
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