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●近所の怪談第六夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0537 言霊 蓮華 様
「言霊」…口から発した言葉から周り廻って自分に降り掛かる事。
数十年前、父が亡くなりました。田舎の長者の家系で、父は当主でした。その後を継いだのは一番上の兄A助。その兄を長子に私は末っ子の妹で、その間に三人姉がいました。それと、もう一人当時小学生の弟B男がいましたが、彼はいわゆる妾の息子で、その母親は彼を生んですぐに亡くなっており、表面的には私達兄弟と一緒に育って来たようなものでしたが、ことに兄は彼をあまり歓迎はしてなく、むしろ嫌ってました。
それは、やはりB男は小学生ながら村でも右に出る者ない程の秀才で物静かで品格も良く、亡き母親が美人だったせいもあり容姿端麗な美少年で何やっても器用なのです。それに引き換え兄はどれをとっても普通でぱっとしない男でしたから。亡き父はそんな兄よりも弟を溺愛しており、嫉妬もあったのでしょう。
そんな兄が父の通夜の夜、一番気の合う一番上の姉にこんな事を言ってたそうで・・・
「B男は、俺どう思ってんのかな?」
「…頼りになる兄さん‥って」
「俺ゃ、あいつが怖い!あいつも俺を嫌ってるよ」
「そんな事ないわ、兄さん、考え過ぎよ!」
そして、次の瞬間、
「俺はあいつを呪ってる!」
と吐き捨てたというのです。
葬式は無事終わり、それから五年経った冬、弟は病で亡くなりました。弟は才能こそ恵まれてはいましたが、ひどく病弱でしたから。兄は少しも涙せず、かえって清々したみたいな顔をしていました。兄は弟に比べ体だけは丈夫で、昔から風邪一つしない人でした。
しかし、私が成人し東京へ出た翌年、兄危篤という知らせを姉たちから受け急遽、里帰りしたのはその年の年末でした。
兄は、病というより廃人でした。姉たちから詳しく話を聞くと、夜な夜な弟が自分を見ていると言って泣きじゃくり、仕舞には昼夜関係なく自分に弟がヘバリ着いて離れないと言って、ノコギリで自分の足を切り付け、出血多量で意識朦朧。命は食い止めたものの、そこからウィルスが入りそれがもとで寝たきりになったそうなのです。
2月についに本格的に危篤状態に陥った兄が、最後に・・・
「許してくれ・・許してくれ・・・」
そして、
「俺が、B男にを殺した」
と、呻きながら死んでいきました。ある意味、弟を呪ってるはずの兄が、最後、弟に呪い殺されたのです。
2007/09/
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