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●近所の怪談第六夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0527 女子寮 mitakunaiko 様
私が初めて就職してその時に住んでいた女子寮での事。
三階建ての学校の校舎を思わせるような建物で、鉄筋コンクリート造りでしたが、かなり古かったです。
ここでもいくつかの怖い経験をしましたが、これは、どこか寂しいお話です。
寮の一階には、寮の管理人さん一家の部屋と、食堂、炊事場、ランドリーと5〜6人が一度に入れる浴室があり、二階と三階に寮生の部屋がありました。横一列に8部屋並んでいて、前には長い廊下がありました。
三階は全室使われていましたが、二階の一番奥の部屋は、物置になっていました。私の部屋は二階でしたが、ほとんど、そちらの方に行く事はなく、三階の友人の部屋へ行く時に、その物置部屋の近くの階段を使う程度でした。
寮に住み始めて三ヶ月くらい経った頃、三階への階段を上りかけたり、また、三階から下りてきた時に、
「助けて。」という女の子の声を聞くようになって、(まさか?気のせいだ!)と自分に言い聞かせていました。
でも、一度聞こえた声は日増しに昼夜限らず、はっきり聞こえるようになって、
「助けて。」
「ここから出して。」
「寂しい。」
「出たいよ。」
と、夢にまで出て来るようになりました。
でも、姿はないのです。
ある日、三階から下りて来た時に上手く表現出来ませんが、カーンと頭を殴られたような、一瞬、記憶が飛んだような感覚に襲われて、私の目の前に、かわいらしいお顔立ちをしたおかっぱ頭で、赤い着物を着た女の子が現れて(立っていて)、
「こっち。ここにいるの。」と、私を物置部屋に誘いました。
物置部屋のドアを開けると、鍵はかかっておらず、中には物凄い荷物がびっしり積まれていて、一見、見回す限りでは何があるのか分かりませんでした。
気がつくと女の子の姿はなく、私はすぐに、管理人さんの元へ行きました。
これまでの事情を話した上で、
「おかっぱ頭の赤い着物を着た、かわいい女の子に心当たりない?」と聞くと、管理人さんの表情が一気に変わりました。
「なんで、知ってるの?ねえ、なんで?!」としつこく聞かれました。
物置部屋の荷物をほとんど廊下に出し終わる頃、荷物に隠れて見えていなかった押入れの奥から、一つのダンボール箱が出てきました。
中から出て来たのは、正に、さっき、私の目の前に現れたあの女の子でした。
ガラスケースに飾られた日本人形でした。
管理人さんのお子さんが生まれたお祝いに、管理人さんのお母様から贈られた日本人形だったのですが、訳あって、管理人さん自身が飾るのを拒否し、しまい込んでいたものでした。
お人形が寂しいと言ってる、子供さんの目につくところに飾ってあげてほしいとお願いしました。
そして、お人形はダンボールから出され、管理人さん一家の子供部屋に飾られました。
女の子のお人形は優しく微笑んで、今でもちゃんと、子供達の成長を見守っていると思います。
2007/08/
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