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●近所の怪談第六夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
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怪談数
御 題
御投稿者様
0504
危ない
Kayser 様
自分がまだ、小学生だったころ。
夏だった。毎日暑くて暑くて、プールが待ち遠しかった。
そして、その年初めてのプールの日がやってきた。
俺は親友とプールへと入った。
実は、俺も親友も、泳ぎは苦手で、50m泳げるか泳げないかあたりだった。
そのため、クロールと平泳ぎを交互に練習し、5本目あたりだっただろうか…
急に息が苦しくなり、口に大量の水が入った。
「危ない…ッ!」と思い、必死でプールのソコに足をつこうとした…が…
なかなか体が言うことをきかず、足は無理だと思い、プールの端につかまった。
そのとき親友は…
自分が「危ない」と感じたのとほぼ同時に…、水の中で男性のものとされる声が聞こえたという。
「あ…ない」と。
その後プールから上がり、カメのようになって体を乾かしていたところ、「あ…ない」と、何故言葉が切れていたかを、二人で解決しようということになった。
言葉の途切れ…ならば、「あ」と、「な」の間に入る言葉を考える。
「さっきのことから考えれば、俺が危うい状態だったよね。んじゃ〜さ…ど〜ゆ〜ことだろうねぇ。」
「分かんない。あ、あ〜…「危ない」?」
親友はボッソリとつぶやく。
「危ない?」・・・!
そして…なんの根拠も無く「あぶない」ということになってしまった…(汗
しかし一年経った今となり、そんな事もすっかり忘れていたがある日、パッチリとこのことを思い出し、疑問なことがあるのに気づいた。
「何で危ないっていわれたんだよ。たしかに自分はあの時溺れそうになってた。だけど…それって、あいつ(親友)に聞こえてただけで、俺に聞こえたわけじゃない。おかしい。ずぇ〜ったいおかしい。」
「第一、あいつが聞こえてたんだろ?だったら、あいつがその言葉をきいたほかに、何かあったんじゃないかな。聞いてみるか。」
そういって、次の日学校で親友に聞いてみた。
…のを一年前にもうしていた。
親友はこう言った。
「ああ、昨日のこと?うん、「あ…ない」が聞こえたあとに、何か、…う〜ん、よく分からないけどさ、助けなきゃ。って思ったんだよね。」
「誰をさ。」
「分からないけど。ただそれだけ。」
「いまいち分かんないね。どうしよう。」
…「この学校で、一番長く居る先生に聞いてみれば?」…
「…うん、そうだね…」
ということで、その日の中休み、学校に一番長く居た先生に聞いてみた。
「あの〜。失礼します。ちょっと伺いたいことがありましてね。」
「何。」
先生は、何だという顔でこちらを見た。
「あのですね、実は僕ら二人そろって、不思議な体験をしたんです。」
「それも昨日。」
「どんなことがあったの。」
「はい、プールで、「あ…ない」って、男の人の声聞いたんです。で、さっぱり意味が分からなかったんですよ初めは。だけど分かったんです。多分、「危ない」って言ったのを。」
「で、何なの。」
「はあ…それで、ちょっと聞きにくいことなんですけど、昔でも大昔でも、この学校のプールで、亡くなった方は…」
「ああ、それは教えられない…。」
「え?何でですか。」
親友は目を丸くして聞いた。
「なんでもよ。ほら、五年生は外で遊んできなさい!」
「あ、は〜い…」
謎は解けなかった。
だけど、俺たちが聞いた声は、
きっと、助けてくれたやさしい霊だったんだと思う。
2006/02/
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