これは、私が小学五年生の頃実際に体験したお話です。
当時の理科の担当だった先生が怪談話好きで、その時も「牡丹灯篭」という話を聞いた何日か後でした。
牡丹灯篭というお話は、ご存知の方も沢山いらっしゃると思いますが、妻を亡くし悲しみにくれていた男が、ある灯篭祭りの日に美人とその侍従の二人と出会い、夜毎騒いで楽しく過ごしていたが、実はその女は悪霊で、取り憑かれ殺されてしまう・・・簡単に言うとそんな感じのお話でした。
事が起きた晩、夜中に急に目が覚め寝付けず、色々考え事をしていました。そしてなぜか、数日前に聞いた牡丹灯篭の話の中のあるシーンを想像してみたんです。
それは、主人公の男の家が毎晩のように賑やかなのを不思議に思い、隣に住んでいるおじいさんが、壁の穴から男の家をのぞく、というシーンです。(そこで男が戯れているのは、女ではなく悪霊だということが発覚するのですが)私が目をつぶって想像すると、やたらにリアルな映像が見えたのです。男と着物を着た骸骨・・・。
私は怖くなって、すぐさま目を開き、冷や汗を感じながら、寝よう!と、再び目を閉じ眠りにつこうとしました。
するとブルブルっと全身が激しく震え、これはヤバイと寝返りを打った瞬間、急に金縛りにあったのです。
当時、まだ母や兄弟と一緒に寝ていたので、隣にいる母に助けを求めようとすると、声が出ません。
気づくと、両肩を見えない手につかまれていました。
その手はとんでもない力で、私をどこかへ連れて行こうとしているようでした。
そして、足元にも人の気配が・・・。
姿は見えないのですが着物のようなものを着ているのはなんとなく感覚で分かりました。
その時、私はある事に気が付きました。今の自分が、まるで牡丹灯篭の男が最後に女の悪霊に殺される時のようではないかということに、恐怖のどん底まで陥った私は、心の中で必死に
「ここはお前たちのいる場所じゃない。早くいるべき所へ帰れ」と念じ続けました。
時間にすると1〜2分位の出来事だったと思いますが、とてつもなく長く感じました。
牡丹灯篭という話が、作り話なのか実際にあった話なのか私は知りませんが、もし実在した話だとしたら、あの時私の肩をつかんでいたのは・・・。
今でも時々思い出しては寒気がします。
あまりむやみに変な事を想像しない方がいいですよ。
波長が合って変なものを引き寄せかねないですから・・・。
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