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●近所の怪談第五夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
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怪談数
御 題
御投稿者様
0489
部屋選び三か条
くかん 様
これはつい先日知人から聞いた話です。
(自称現実主義者ながら霊感がある方なのですが…)
知人が恋人と都内のホテルに泊まった時の体験談です。
通された部屋に入った時に、知人はすぐに空気が濁っている事に気が付いたそうです。
ですが彼は霊感のない恋人を不安にさせるのもなんだと平静を装いました。
入ってすぐ横のバスルームの、すぐ向こうには簡易の(何故か無駄にでかい)クローゼットがあったそうです。
ダブルベットのすぐ傍に設けられた鏡の、向かいに位置する壁には明らかに後付けの鏡が付けられており、言ってしまえば向かい鏡の状態です。
壁に掛けられた絵も”暗雲とした曇り空の下に鎮座する荒れた島”と、華やかさとは正反対でした。
気味悪がった知人が絵と鏡を外そうと手を掛けても、金具で固定されてしまっていたそうです。
気を取り直して知人は恋人をベットに座らせ、バスルームに向かいました。
彼が宿泊したのがアダルティなホテルだった為に、脱衣所は硝子張りでした。
肝心な部分は曇っており、脛から下は透過されている硝子です。
彼は目の疲れからコンタクトを外したのですが…
曇り硝子の下の部分を、すっと裸足が横切るのが見えたそうです。
方向的には入り口から奥のベットルームへ向かう感じです。
「彼女かな?」とも思ったのですが嫌な予感がした知人はすぐに脱いだ服を着るとベットルームへ戻りました。
するとベットに座っていた彼女の姿が見えません。
知人が驚いて部屋の奥へ進むと、ベットと壁の隙間に彼女は座り込んでいました。
コンパクトに体を畳んだ彼女の顔色は酷く悪く、知人はすぐに”見てしまったか”と察しました。
フロントに電話し、とりあえず彼女を休ませる為に他の部屋に移ったのですが、鍵を持ってきた男も何処か落ち着いていない風だったそうです。
移されたのは隣室でした。
彼女の震えが止まる事はなく、その部屋の雰囲気の悪さをまたしても感じ取った知人は帰る事を決めました。
ですが知人はそこで、先程の部屋にコンタクトケースを忘れてしまったのに気付きました。
彼女に荷物を纏めさせ、知人は一人、急いで先程の部屋に戻りました。
扉を開けた瞬間にひやりとした空気を感じましたが、彼は足許だけを見ると、さっとバスルームに入りました。
何とかコンタクトケースを手に出来た知人は平然と退室を試みました。
ですが部屋から出る瞬間、つい背後からの圧迫感に、ほんのちょっとの好奇心から振り向いてしまったそうです。
そこには…
例の”クローゼット”の中から半身を乗り出し、此方を見やる女が一人。
ある意味典型ですが、黒色の長髪で、前髪の隙間から見える目には明らかな憎悪が宿っていたそうです
知人は隣室に戻ると全力で彼女を連れ出し、ホテルを後にしたそうです。
彼女の震えもじきに治まり、自称現実主義者の知人も霊障に襲われずに済みました。
知人も彼女が何故そこにいたのかは分からないとの事です。
ただ、都内のホテルを借りて…
もし部屋に無駄に大きいクローゼットや”曇り空の島の絵”、合わせ鏡が揃っていたら…
部屋を変えるか、ホテルから出るのをお勧めします。
…との話をつい先日聞きまして、私もぞっとしました…
本人はケロっと話しやがったのですが…
知人はホテルの名前と部屋番号も教えてくれたのですが、私の知らないホテルだったのでつい忘れてしまいました。
部屋番号は○05とか、そんな感じでした。
2007/03/
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