俺の家、両親がえらく仲が悪くて事あるごとに何時も喧嘩してた。
そんな家が嫌いだったから喧嘩の度に俺は家出して近くの廃工場に逃げ込んでいた。
色んなわけのわかんねぇガラクタとかでっかい器具とかあって変なとこだったけど逃げ込む場所っていやぁそこしか思い付かなかった。
俺の実家は海を埋め立てた工業地帯で、まわりには薬品工場や自動車工場なんかがあって、子供が育つにはえらく殺風景なとこで俺は育った。
両親が離婚する事になったのは小学5年の冬で、俺は親父とこの工業地帯に残った。
親父が強引に俺を引き取ったと云ってもいいような感じだった。
親父は酒癖悪いし生活習慣も最悪。
暴力は振るうような奴じゃなかったが、離婚してからはお袋の愚痴ばっかし言うようになった。
さらに家にいるのが億劫になって、あの廃工場に執着した。
しかし、そういえば、この廃工場が一体以前何に使われていたのかは知らなかった。
ただ器具とかガラクタの様子から見て、鉄製品かなんかを製造していたのかぐらいは想像出来た。
中学に入って俺はシンナーに走った。
学校は不登校になって、ダチなんて一人もいなかったから一匹狼状態で何時も廃工場のガラクタとガラクタの間でシンナー遊びをしていた。
そんな中2の、ある夜中、俺は何時ものように廃工場の隅でシンナー吸った後の眠りに着いていた。
しかし、何かの気配で目が覚めた。ズズズッという何かを引きずるような音が後ろから前から左右からたくさん聞こえた。
俺は何か大きな物も包んだ青い埃塗れのビニールシートの上で冷や汗を流した。
此処には俺しかいねぇんだぞ。
こんな事一度もなかったぞ・・・。
その音は下の方でピタッと止まった。
俺は全身が氷になったような感覚に襲われた。だけど下が気になる。
すると「それら」がこっちへ向かって攀じ登って来るような、ギッ・・ギシッ・・・という音が・・・ヤバい・・完全に包囲された!?音はだんだん近くなってくる・・
ヤバ過ぎる・・・逃げたいけど、此処は結構高い・・飛び降りるのは今更無理だ・・・・・・・ヤバい・・。
するとピタッと音が止んだ・・
見渡すと何も下に付いていない。
なんだったんだ・・俺の吐息は相変わらず激しい。
まだなんかいるような気がした。そして少し手を後ろに伸ばした時、何かに触れた。
そして後ろを向くと真っ青な顔に真っ赤に充血した目の人間が俺を見ていた。
「あああああああああああああああああぁっ!?」
すると俺の乗っかってたガラクタの山が崩れ、俺はガラクタの上に落ちて難を逃れた。そのままその場を離れた。
それからシンナーだけはやめれた。
しかし親父とは相変わらずで、中学卒業後、工業地帯を離れた。
その親父は去年亡くなった。
あの廃工場も一昨年、県の行政によって壊されたそうだ。
その工場は第二次世界大戦中、日本軍の極秘兵器を作るための工場で、その時、正確には分からないが人体実験のような事もしていたそうだ・・
一体何を作っていたのかは今でも謎のままである。
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