古い鉄筋コンクリートのアパートの最上階5階。その隅の部屋は人間界と霊界の狭間だった。
15年前、仕事でNYに転勤になった頃の話。
マッハッタンの中に古いが安い物件があったのでそこで暮らす事にした・・そう五階の隅の部屋。
部屋は屋根裏部屋式で屋根が三角形になっていて縦の幅は狭く、傾斜になっており台所・トイレ・風呂・そして居間がひとつあるだけの粗末なものだったけど、それには気にせず暮らしていた。
ただ気になるのはたまに壁のシミが目立つ箇所が多いこと。
それがむやみやたらと人型を象っていることだけがどうしても奇妙だったが引っ越してしばらくしたらそれすら気にならなくなった。
そしてそこに暮らしだして1ヶ月した頃・・夜中、物音に驚き起きたら深夜2時。そういえばこの5階には誰も住んでいない。物音なら下からするパトカーのサイレンやら、浮浪者・酔っ払いの声が当たり前だから、もしかして変質者?泥棒?そう思う私の横をスッと誰かが通り抜けた。
(ギクッ!?)背中が下からゾゾゾッ!!と震え、パッと後を振り返ったら、もちろん誰もいなかった。
「多分・・気のせいよね・・・」と思ったけど、やっぱり怖いまま、その夜は眠れないで朝を迎えた。
その晩からやけに神経が尖がりはじめ物音を寝ながらも聞き取っていると、どうやら、この室内から・・人の話声・・英語・・・しかも大勢・・・ということが判明した。それから英語だけでなく、中には中国語・ハングル・日本語と多国籍な言語も混ざっている。
しかし、その声はあまりに土盛が酷く、声のボリュームは小さい・・何を話しているのかはさっぱりだったが感じからして空恐ろしさすらあった。
そんな神経が尖った状態ではもちろん不眠症にはなったし、会社でも、その声が聞こえるような幻聴すら起こり始めるようになったの、その部屋に住んで一ヶ月半あたりからたった。
そんな日々が2ヶ月ぐらい続いた頃、はっきりそいつらの言っている内容が分かった。
「・・・・・・この女・・どうする・・・・・?」
「・・・・殺してしまおうよ・・・・・」
「・・・前の住民の・・・・・ように・・・・・・」
それは日本語を喋るやつが日本語ではっきりそう言った。位置的には私の寝ている頭の前で・・ゾッとした・・・・・・・・。
その次の夜・・・アパートは火事になった。
私はまだ部屋で出れなくて困っていた。
しかし消防士が梯子をだしてくれ、やっと下へ行こうとした時、ふと燃え盛る部屋の中に目が・・・
一斉に睨み付ける大勢の人間がそこ立っていて、その顔はもう恐ろしいとしかいいようがなく、その消防士の腕の中で私は気絶してしまった。
その後、アパートは全焼し、直す事不可能で取り壊され、私は日本に帰国出来、身体的にも心理的にも落ち着いた・・・・・・・。
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