その隣の家は空家で誰も近寄らない荒家でした。
その隣が私の実家で祖母と叔母と私の三人で暮らしていました。
私の家も大体古くその家と同じくらいか少し新しいくらいでした。
でも、なんでか隣の家には誰か住んでいた記憶があるのです。
幼い頃に数回見た事があったんです。
背の高い紳士を。
大人になってから叔母に聞くと
「何言ってるの、あの家はあんたが生まれる前から空家だったんだよ」と笑われました。
「紳士?知らないねぇ、私もあの家に誰かが住んでいたの見た事ないもの」とも言われました。
じゃ一体誰なんだろう?と思い祖母に聞くと
「そりゃ、Dさんじゃないかな?」といい古いアルバムも見せてくれて、ああ、この人!と思いました。
そのDさんは戦前の人で作家さんである年に結核で一人で亡くなったのだそうです。
不思議な経験でした。
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