夏といえば花火。
花火って綺麗ですよね。
どーんと開いてすぐに消え去ってしまう。
まるではかない人生みたいですよ。
火というのは霊体が変化したもの、と言われますよね。
心霊写真なんかでは特に。
これは花火に関する怪談なのです。
僕のバイト先(今は辞めましたが)の社員さんが、大学生の頃に体験した話だそうで。
その社員さんを含む大学生のグループ4人が、夏だということで海に行きました。
路上に車を停めて、砂浜をサンダルで走り回り、誰かがビールを持ってくれば飲んで騒ぐ。
ある者は女の子をナンパして失敗したり……。
そんな楽しい時間が過ぎていきました。
さすがに日が傾き、暗くなり始めました。
4人は昼間騒いでいたこともあり疲れていましたが、1人が花火を持って来ていることを思い出しました。
「花火やろうぜ!」
夏の砂浜で花火というのもオツなものです。
みんな疲れを忘れて花火を始めました。
男4人です。
線香花火みたいな地味なのではなくてハデなやつです。
ドーン、パチパチパチ…
ドーン、パラパラパラ…
夜空に花火が咲き乱れました。
自分たちの花火がなくなったので、みんな疲れに任せて砂浜に寝転びました。
ざざーん、ざざーん。
波の音だけが聞こえていました。
ふと、1人が空が明るくなったことに気づき目を開けました。
見ると、打ち上げ花火が上がっていました。
立て続けに2発。
ですが不思議なことに、音が聞こえないのです。
音は伝わるのが遅いですから、開いた瞬間を見ている彼にも
「音」は聞こえるはずなのです。
その夜は不思議に思っていた彼も、疲れに任せて砂浜で寝てしまいました。
翌日、警察が海岸に来ていました。
何事だろうと彼らがのぞきに行くと、
釣りに来ていた父親と幼い息子が溺死していたということでした。
彼が見た「打ち上げ花火」……。
本当に「打ち上げ花火」だったのでしょうか……?
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