kinjono.com

●近所の怪談第五夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
警告
このページへの直リンクは禁止しております。
必ずトップページの方にお願いします。



>>怪談メインへ戻る

>>五夜目メニューへ
怪談数  御 題    御投稿者様
0442
水子の霊 鬼子母神 様
20年前、私は流産を経験しました。
当時私は独身で付き合っていた男と別れた直後に妊娠し生む覚悟でいたのですが6ヶ月で階段から落ち流産してしまいました。
産婦人科の病院に入院していた、ある夜、私は夢を見ました。
白い光る物体が寝ている私の周りをフワフワ飛んでいるのです。多分、水子の霊だと思い目が覚め泣いたのを覚えています。
しかし、この話はそんな優しい話ではないのです。
それから私は退院し、傷付いたまま東京から地方へ移り住みました。
実家からは勘当されていましたから、そこで安いながらアパートを借り、その近くの喫茶店で働くようになりました。
それから2年程たった頃だったでしょうか・・
ある雨が降る秋の夜中、私はふと目が覚めたのです。
気配がするのです。きつい刺すような視線で・・・体は動きません。
気配はしばらくして消え、また辺りは静寂に戻りました。
それからというもの何故か何時も得体の知れない気配が私の背後にあるのです。
当時、私は喫茶店の常連の男性と付き合っていて、その人は霊感が強い人でもありました。その彼がある日・・・
「君、顔色悪いね。大丈夫かい?」
「え?ええ、大丈夫よ」
彼の前では少しでも私が弱いとこを見せたくなかったので過振りを振ってみせると、
「何か、よくないものにでも憑かれたという事はないかい?」
「え?よくないものって?」
最初、彼が言っている事が分からなかったのです。
「いや、気のせいなら悪いけど、今夜君の家お邪魔していいかな?」
「え?別にいいけど・・・」
そして、その夜、彼は私の家に来ました。
「やっぱりだ」
「え?」
「よくないな・・この気配」
「分かるの?」
彼の話によると、私の部屋に良くない霊が憑いていて、それがずっと私に憑いて回っているというのです。
「どういう霊なの?」
「言っていいのかい?」
「え?何?」
彼は私が流産した事は知っていました。しばらく黙ったまま何か考えているようでしたが、ようやく重たい口を開き・・・
「君の亡くなった子供が、その良くない霊に支配されている」
「そんな・・・」
私は漠然としました。死んだ子供の霊がここにいる事自体にも驚かされ、さらに、その子供が悪い霊の奴隷だなんて・・どうしたらいいのか分からない、そんな唖然とした気持ちが私の心は支配してしまい、彼の前で泣いてしまいました。
彼の紹介で、ある霊媒師の方に相談してもらうと、
「非常に強い悪霊ですね・・簡単にはここから立ち退いてはくれそうにありませんね」
「一体、この悪霊の正体はなんなんですか?」
「ここの者じゃなさそうですよ・・それも人間じゃなく動物。もともとは浮遊霊だったのが、あなたの亡くなったお子様、もしくはあなたの霊気に反応して力を得たのだと思います、そもそも、あなたは霊を呼び寄せる気質のようですね・・」
「じゃ・・まさか流産となんらかの関係が?」
「おそらく無縁じゃないですね・・・」
つまり、私が流産したのは、この悪霊のせいだというのです。悔しくて仕方がありません。
だって、そうでしょ、せっかく生まれるはずだった自分の子供を、そんな得体の知れないものによって流産させられえたなんて・・・その悪霊が許せない!!
その日から、私と悪霊の闘いが始まりました。霊媒師の方から頂いた御札を部屋の四隅に張り、部屋の間取りに塩を置きました。
そして、出来るだけ物事を明るく思うようにしました。
そして次第に、あの刺すような強い気配は消えていき、最後には普段通りに戻りました。
その後、あの彼とは結婚し、子供も生まれ平和な日々を過ごしています。
そして、亡くなったあの子供の供養もちゃんと毎日かかさずやっています。
どうか、安らかに眠り続けていられていますように・・・。
2006/06/
>>怪談メインへ戻る

>>五夜目メニューへ

>>次の話へ進む
kinjono.com©2000