皆さんは「うどんげの華」というものをご存知でしょうか?
この話は私が小学生の頃に遡ります。
祖父の家に遊びに行った時のことでした。
ある日、祖母と二人で洗濯物を畳んでいた時の事、私が伯父の黒いシャツに手を伸ばした所、不思議な物を発見しました。
それは黒いシャツの表面に付着した白くて小さい寄生植物のようなものでした。
上部がつぼみのように膨らんでいて、下部が幾つかの筋に分かれており、神秘的ですらありました。
祖母に「これなんだろうね」と聞くと祖母は
「これは・・・」と言ったきり何も言わないのです。
どうしても気になった私は祖母に食い下がりました。
すると祖母は何かを決心したかのように
「誰にも言ってはいけないよ」と前置きし
「これはうどんげの華と言ってあの世からのお迎えなんだよ」と言いました。
実は祖母は子供の頃に一度だけうどんげの華を見たことがあったそうです。
祖母の友人の黒いスカートにひっそりと付着していたそうです。
祖母がうどんげの華を目撃した日から半年くらいったったある日、その友人は大病を患い帰らぬ人になったそうです。
祖母は祖母の母(私から見て曾祖母)にうどんげの華の事聞かされたそうです。
そんな話を聞いてから一ヵ月後くらいに黒いシャツの持ち主である伯父が事故で急逝したとの知らせが来ました。
この時は身震いするほど恐ろしかった事を覚えています。
それから数年が経ちこの事をすっかり忘れていたある日、私は学校で見てしまったのです。
あの白くて小さな華を。
それは友達の黒いコートの裾にひっそりと付着していたのです。
件の話を思い出した私はなんとなんく気味が悪くなり、ティッシュでそれを取るとゴミ箱に捨ててしまいました。
「何もなければいいけど」と思っていたのも束の間、丁度一週間後、その友達が交通事故で急逝してしまったのです。
一連の話をただの偶然だと言ってしまえば言えなくもないのでしょうが、私にはどうしても偶然だとは思えないのです。
当人達の黒い服にうどんげの華が現れ、いずれも急逝・・・
こんな偶然があるものでしょうか?
このことがあって父と母や友達、学校の先生にうどんげの華の事を聞いてみましたが、誰も詳しく知る人はいませんでした。
私はあの神秘的な姿形とは裏腹に恐ろしい何かしらの力があるような気がしてなりません。
最近分かった事なのですが、うどんげの華というのは、実はウスバカゲロウの卵なのだそうです。
何故それが現れた人の所に死が訪れるのかは分かりません。
私はもう二度とこの華が現れない事を願っています。
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