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●近所の怪談第五夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0421 こいのぼり まい 様
まだ私が幼少の頃の話です。
あまり話してはいけないことなのかも知れませんが、日本の節句がおろそかにされつつある昨今、話した方がいいのではとも思いましたので話します。
うちには昔から代々伝わっている雛人形やかぶと、こいのぼりがあります。
うちのこいのぼりはとても大きく家紋入りの大小様々30匹もあります。
端午の節句が近づきつつあったある日のことでした。
父が押入れからこいのぼりを出してむし干しして取り込んでいたときに、弟がこいのぼりで遊んでいました。
弟は小さなこいのぼりを足に穿いて「人魚になっちゃった」などといっていました。
私は「お父さんに怒られても知らないよ」といったのですが、弟は聞こえなかったのか聞こえないフリをしていたのか、そのまま遊び続けていたのです。
そろそろ夕ご飯の時間という時、突然弟がいた部屋から
「うわあああぁぁぁ〜〜〜っっっ」と、もの凄い悲鳴が聞こえてきました。
「なに!?」と部屋に行くと、弟が泣きながら
「こいのぼりが噛んだ」と言います。
見ると弟の体(胴、両手、両足)に噛み付くようにこいのぼりが取りついていました。
私は「まだふざけてる」と思いこいのぼりを弟の体から外そうとしました。
ところが、どうやっても取れないのです。
まるでこいのぼりが弟の皮膚と一体化してしまったかのように。
私は直感で「大変だ」と思って両親を呼びました。
ですが、大の大人がどんなに引っ張っても外れなかったのです。
こいのぼりを引っ張るたびに弟は体を動かせずに「痛い、痛い」と泣き続けました。
すると、母が何かを感じたのか、ある人のところに電話をしました。
その人は地元で「拝み屋」と呼ばれている母の友人の霊能力者でした。
その人うちに来てが弟を見るなり「これは大変だ」と言って何かのお経を読み始めました。
読経が始まってしばらくすると、弟の意識が無くなってしまったのです。
霊能者の読経が次第に大きくなっていく中、両親と私はどうすることもできずに手を合わせるしかありませんでした。
どれぐらいの時間が過ぎたのか、弟が落ち着きを取り戻し、読経が静かに終わって霊能者の人が弟の全身をさすりながらこいのぼりを引っ張ると、何をどうやっても取れなかったこいのぼりがスルスルと取れたのです。
霊能者の話によると、全てはご先祖様からの警告とのことでした。
うちのこいのぼりは代々伝わっているものということで、ご先祖様達の強い願いが込められているのだそうです。
それを蔑ろにしてしまったがためにご先祖様が怒り、そのを報いを弟は受けてしまったのでした。
もう少し連絡が遅れていたら弟の命が危なかったそうです。
霊能者が弟を見た瞬間、弟の体(胴、両手、両足)にはこいのぼりではなく、数体の霊の姿が見えたそうです。
その霊達が弟の魂を引っ張りあの世に連れて行こうとしていたのです。
こいのぼりとは元来「この子をお守り下さい」と願掛けして上げるものだそうです。
日本人の皆さん、どうか日本古来の節句を大事にして下さい。
先祖代々伝わっている雛人形、かぶと、こいのぼりは特に。
節句とはご先祖様と接する一つの機会だと私は思うのです。
私達家族は蔑ろにされたご先祖様の怒りを目の当たりにしたのです。
2006/03/
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