僕の兄は幼い頃、近所でも評判の悪餓鬼でした。
その後ろを何時も幼い僕は付いていったものです。 ところで、僕の実家近辺に神社が幾つかあったのですが、そのひとつに『狗○神社』といういかにも気味の悪い名前の神社がありました。 本当に人があまり近寄らない薄暗い境内に本堂があるだけの神社でした。 しかも、その本堂の中を見た人なんて誰もいませんでした。 扉は開けるには開けれるのですが、昔から、開けると祟りがあるという伝説がありましたので開ける人なんて、まずいませんでした。 しかし、僕の兄はそんな扉を好奇心で開けてしまったのです。 中には、札の山・・壁一面に札が張られており、なにか赤いものが部屋の所々に付いていました。 「兄ちゃん・・やばいよ・・・ここ・・」僕は兄に、そう云いました。 しかし彼は 「何怖がってるんだよ。そーだ、あの札、取っちまおうぜ」などと、云い札をひとつ残らず焼いてしまいました。札の山も・・・。 しかし、それから数日後、兄は交通事故で、右足が複雑骨折してしまいました。 僕は、きっと、祟りだと思いました。 だから、兄に、 「もうあんな事やめようね」と話し、それ以降はそんな事をしませんでした。 いえ・・しなかったというよりできなかったというべきでしょう。 あれから兄は、その複雑骨折に右足が完全麻痺し、一生、走り回れなくなったからです。 そして、その上に、今まで病気ひとつしてこなかった兄が次々と病気になるのです。 それゆえに学校も休みや休みになりました。 兄が中学3年の頃、そんな自分に嫌気がさし、覚醒剤中毒になってしまい最後には、
「祟り・・祟り」といいつつ、狂い死にをしてしまいました。
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