kinjono.com

百話完結
●近所の怪談第三夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
警告
このページへの直リンクは禁止しております。
必ずトップページの方にお願いします。



>>怪談メインへ戻る

>>三夜目メニューへ
怪談数  御 題    御投稿者様
0238 虫の報せ SERA様
その日は、朝から雨がちらつき、5月といえど肌寒い夜でした。
今夜は主人が飲み会があるとのことで、11時頃ベットに入りました。
主人が帰って来て、玄関の鍵を開ける音で、目が覚めました。
主人はそのまま、洗面所へ向かったようです。
寝室のドアが少し開いていてそこからその様子が伺えました。
が、主人の後ろ30センチくらいでしょうか、ハエが「ブ〜ン」と音をたてて、ついて来てるのがわかりました。
「あらあら、ハエが入ってきちゃった」
と思ってたら、私の寝ている寝室にドアの隙間からやっぱり「ブ〜ン」と音をたてて入って来て、私の頭の周りを飛んでるのです。
「ああ。うっとうしいなあ。殺虫剤取って来なきゃあ。」と、ちょっと悩んで、思い切って上半身を起こしました。
その時、私の左手が、何かにさわりました。というか、押したんです。
「ン?なんだ?この感触、背中だなあ。ダンナ?・・なんでベッドに座ってんの?・・イヤ、違う!ダンナの背中よりデッカイッ!」まだ、上半身を起こしきってないうち・・・
ほんの何秒間かの間にそんな事が頭の中をよぎりました。
次の瞬間「ハッ!!」と身構えましたが、遅かりし・・・
その、大きな背中の主は、サッと立ち上がり、振り向きながら、私の左手の手首からひじの間をギュウとつかみ、私を上から見下ろしました。
その間中、私は一瞬とも目を離さず、その女の顔を見ていました。
そうなんです。
顔は女性でした。・・・・・・
長い髪を、全部後ろにひっつめて、ひとつにくくり、丸く結わえてました。
「水商売か玄人のどこかのママだ」というのはわかりました。
でも、体のつくりや、わたしの腕をつかんでる手の感触は、男性そのものです。
何も言わず、ただ黙って、引っ張るでもなく、ギュウってつかんでるんです。
「ああ。ダンナ、連れてきちゃったなあ」
「あんたには、何の用もないの!帰れ!帰れ!」何回か繰り返し、般若心経を唱えると、フワッとかき消すように消えて行きました。
「あれは誰?っていうか男?女?・・謎です・・」
2004/05/
>>怪談メインへ戻る

>>三夜目メニューへ

>>次の話へ進む
kinjono.com©2000