私が幼稚園の頃ですから、もういにしえの昔のお話です。
父の従兄弟のお葬式があり、通夜の日から泊りがけで、出掛けました。
仏さんは仏間に寝かされており、私達家族でお顔を拝見し、父母は、別れを惜しんでおりました。
が、私は不思議でたまらず
「このおじちゃん、あそこでみんなと一緒にお酒飲んでるよ」と父に言いました。
「SERAちゃん、このおじちゃんは、もう死んでるから、お酒飲めないよ」
「でも、ほら、今笑ってるよ」
と指差す方向を見て、弟も
「パパ、このおじちゃん、あそこにも居るよ」と。ふたりで、広間と仏間をキョロキョロしていると、お酒を飲んでいたおじさんが、私たちに気づき、ゆっくりと腰を上げて、ふたりの前まで歩いて来て、
「遠いのに、よう来てくれたなあ。ええ子(良い子)になりやあ」
と言ったのでした。
私は「おじちゃん、死んでるのに、なんで?」と問うと、「アハハ!」と笑いながらスウーと上に引っ張られるように消えて行きました。
山深い、山陰の田舎の通夜の夜でした。
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