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二夜目百話完結
●近所の怪談第二夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0165 呼ぶ声 夜人様
前回の続きです。
魅惑の歌声を聞いてから、月日は経ちます。
その後、後妻を迎えました。
私は、高校生になりました。電車で通う高校で新しい友人ができ始めた四月の中ごろ、家の二階の小さな廊下に黒いもやが、かすかに見えるようになりました。
電気をつけても陰気で、気持ち悪くなるほどでした。
家庭内は最悪で、悪くなるたびにそのもやは黒さを帯びていくような感じがしてなりませんでした。
ある日、友人が二人、我が家に着ました。
家にはほかの家族はいませんでした。
ちょうど買い物に出かけている最中でした。
友人は中学校からつるむRさんと高校で知り合ったSさんです。
三人で二階の私の部屋で談笑していると、一階私を呼ぶ声がしたのです。
はっきりと男の声で「夜人ー!」(偽名)私は反射的に返事をして、下に降りていったが誰もいません。
親が帰ってきて、荷物を運ぶのに呼んだと思ったのです。
外かもしれないと車庫に行ったが、人もいなければ車もありません。
聞き間違えなのかもしれないと思い、二階へ戻りました。
このころには、父の様態は安定して普通に話すのには障害はありませんでした。
多少なりと歩くのも。
二階に戻ると友人Rが
「よく聞こえたね」と、言われいつもだからと答えました。
「でも、誰もいなかった。聞き間違えだった」と言って、その場収まりました。
それから数十分後。
「夜人ー!夜人ー!」と声が聞こえてきたのです。
そして、次は女性の声も聞こえてきたのです。
同じように私を呼ぶ声が。
この声にSは気が付きましたが、Rは気が付かなかったのです。
またも私は、返事をして下に下りていきました。
しかし、そこにはまたも誰もいなかったのです。
不思議に思い二階に上がり、誰もいないと言うとSがポツリといいました。
「夜人のお父さんってあんな声だったけ?」私はその言葉に、ドキリとしました。
考えてみれば父の声より低かったのです。
女の人の声も、考えてみれば母親は私を名前でめったに呼びません。
呼ぶとすれば、おねぇちゃんでした。
呆然としていると、急激に右頭部と左足が痛くなり立っていられなくなりました。
うずくまって痛がる私に、何が起きているのかわからず、三人で動揺しいると、部屋に置かれた電話が鳴ったのです。
取ると母親からでした。
「ごめんね。少し帰るの遅くなるから」という言葉に、私は不安になったのですが、ふとしたことが頭をよぎり、考えるよりも先に口に出ていました。
「おかん、足怪我したな。親父は頭だね」疑問よりも確定のほうが大きかったです。
「・・・事故ったのよ。何でわかった?」母の言葉にも私は何も言えませんでした。
不信がる母親は、心配しないでといって電話を切ろうとして、またしても私はとっさに口が動きました。
「左肩、首のつけ根、痛い。どっちか見てもらって」というと母はわかったといってきりました。
受話器を切るころには痛みは治まっていました。
帰ってきた母親は、父が首のつけ根あたりを強打していたことを教えてくれました。
父は検査入院をしました。
その後その家では、深夜家の周りを誰かが徘徊したり、声や足音がしていました。
今は引っ越してしまいましたが、今もあるあの家がどうなったのか、私は知りません。
言える事は、引っ越すまで私には不幸があるたびに、声や歌が付きまとっていたということです。
2003/10/
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