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二夜目百話完結
●近所の怪談第二夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0164 歌う女 夜人様
私が昔、家族で住んでいた家はとてもおかしな家でした。
構造の何かがおかしいのではなく、雰囲気がおかしかったのです。
家としてはどこにでもある家です。
一回にはダイニングキッチンに、和室が二間、洋室に洗面所、浴室トイレ。
二階は部屋が三部屋、トイレです。
一畳ほどの廊下を挟んで部屋とトイレは分かれていました。
ことの起こりは中学一年で冬の初め頃で、私が一人で家にいて一階でご飯を寂しく食べているときでした。
テレビをつけてご飯を食べていると、二階から誰かが走り回る音がしたのです。
はじめは隣の家の音かと思っていたのですが、時間がたつにつれて大きくなり、自分が今いる上から聞こえてきているのに気が付いたのです。
家には私一人しかいません。
ましてや、走り回るスペースなどありません。
三つの部屋は私を入れて、兄弟三人が使っていました。
そして三人とも自分の部屋に入られるのを、大変嫌っていたので、ドアはしっかりと閉められていたはずなのです。
怖くはなりましたが、なぜかその足音は陽気な感じがしたのです。
しかし、あまりにもうるさい。
テレビ音がかき消されるほどでした。
私はあまりにも五月蝿いので、
「うるさい!静かにしぃやぁ!」と怒鳴ると、その音はピタリと止まりました。
それがこの家にこれから起こる奇妙な出来事のはじまりでした。
違う日に幼い妹とお風呂に入ろうとすると、ドアの閉められた浴槽から歌声が聞こえてきたのです。
とても美しい女性の歌声でした。
驚きはしたのですが、意を決してドアを開けると歌声は止み、誰もいませんでした。
妹は何もなかったように風呂場へと入っていきました。
私は怖くて妹に、聞いたのかどうか聞けませんでした。
今も忘れることのできない、不思議な鼻歌というのか、ハミングでした。
その後、父は母と別れ、その直後に脳血栓で倒れました。意識不明の重体。
一命は取り留めたものの、半身不随の体になりました。
それから時がたち、中学二年の夏休みの登校日でした。
私の住むところは田舎で、自転車通学でした。
しかし、私はダイエットのために歩いて学校に行っていたのですが、その登校途中に事は起こりました。
登校する道のりにひとつ小学校があるのですが、夏休みなのですから、小学生は登校していません。
誰もいない校庭のの脇を歩いていると、突然小学校の運動場用のスピーカーから、音が流れました。
その音というのが、冬に浴室で聞いた歌だったのです!
まるで私に聞かせるかのように歌うのです。
人が少ないながらも往来しているのに、誰もその歌声に耳を向けないのです。
これは私だけにしか、聞こえないのでしょうか。
そしてその後会社が倒産しました。
まるで不幸を知らせるかのように、女性は艶やかに美しく歌うのです。
いつどこから聞こえてくるのか、まったくわからない歌声が恐怖でした。
2003/10/
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